コッツーンっ!
「「!?!?!?」」
二人が抱き合っているのを見て、ムカついたアキくんが暴走して飴ちゃんをトーマにぶつけた。
「ちょっ、アキくん! 何やってるの!」
「葵には当てない自信があったんだっ」
アキくんのせいで来て、早々にしてダッシュで離れまで帰るという。ちょっと落ち着いて欲しい、ほんとに。
それからDVDの続きを見ていたら、トーマが動物の躾をしにオレらのとこに来た。でもカナが暗い顔をして出ていったから、キサにトーマを見張ってもらって、みんなでカナを追いかけた。
……あ。オレはカナは追いかけずに直行でトーマの部屋に行ったよ。オレが行かなくても、みんながちゃんとカナに声かけてくれるでしょ。
「何にもねー……」
シンプルすぎて、全然思い出の品すらない。全く以て、トーマの部屋はつまらない。散々荒らしたけど。
取り敢えずトーマとここでかち合うのは嫌だったから、ぐちゃぐちゃのまま部屋を出た。
「えーっと、二人の部屋は……」
あおいは今道場にいるって言ってたから、取り敢えず本邸は安心して歩ける。
「……ここだった気がする」
ノックをしたら、中から二人の声が聞こえたからガチャリと開けて入っていった。



