「アオイ。オレは、多分泣かすから」
『……そっか』
「あいつにできることなんて、それぐらいしかないからね」
『そんなことないよ! ……いろんなこと、してくれてるのに』
「ありがとう。そう言ってくれるアオイがいてくれるだけで、オレは嬉しいよ」
『ヒナタ……。……うん。それなら、よかった!』
「うん。それでね? 今日は」
『あのねあのね! 今日ね、アキラが来たの!』
「えっと。……うん。そうだったね。でも、それよりも先に」
『アキラがね? 頑張ってくれたから、誤解が解けたの!』
「誤解……って、もしかして、アキくんがあいつが消えるのを知ってる話?」
『え。……なんで知ってるの?』
「……オレが知らないことなんてあるわけないじゃん(ヤバ。盗聴してたんだった)」
『そっか! それもそうだね!』
「(……よかったバカで)」
『それでねそれでね? アキラがね? 葵に頑張って聞いたの!』
「え? アキくん聞けたの? どこまで?」
『全然』
「だよね~……」
『それからそれからー』
「あ。ごめんねアオイ。その話はまた明日にでも聞いてあげるからさ、今日はちょっと先に報告したいことがあるんだよ」
『ほ、報告……?』
「うん。そう」
そう言って、みんなの方へと一度視線を向けたあと、『まだ喋っちゃダメだから』と口の前に一本指を立てる。
『い、……いい報告?』
「うん。これ以上ないほどだよ」
自然と、頬が緩んでしまうほどには。……とってもいい報告だ。
『……そっか。うん。聞きたい』
「……元気ないね。どうしたの?」
『ううん。……なんでも、ないよ』
「きっと、これ聞いたら元気になれるからね」
『それは楽しみっ』
「うん。三種の神器ならぬ、四種の最強武器が揃ったんだ」
『え? ……そ、そうなんだ……?』
「あ。でも、アオイも入れたら五つかな?」
『えーっと。また新しい駒?』
「そうそう。よくわかったね」
『……。そっかあ。また、増えたんだね』
「うん。これで、ほぼ揃ったと言っても過言じゃないよ」



