それから聞き込み調査とかをして、その原因を突き止めようとしたけれど、それでも何も掴めることはなく一年があっという間に過ぎた。オレは、高校に上がった。
「……よし! オウリ! もういいぞ! もうこいつら全然関係ないみたいだし!」
「(こくこく)」
入学初日から、生徒会にも選ばれてないのにオウリを囮にして藤を誘き寄せていたが、……どうやら当てが外れたらしく。ただの今時時代遅れな喝上げ野郎たちだった。
「今回もハズレみたいだね」
「そうねー。どこに隠れてるのかなあ親玉~」
オウリ一人でも十分やっつけられるけど、まあ何かあっちゃいけないからオレらも出て行けるようにしていた。
オレはそんなかったるいことしたくないから、キサの護衛役を率先して引き受けたけどね。
「オウリの華麗な技裁きでも記念に撮っておこっと」
「あ! いいね! あたしにもあとでちょーだい」
――そうして、スマホのビデオ撮影をし始めた時だった。
「――そこまでよ‼︎」
「!?!?」
心に落ち着く、心地よい声。
「(……え)」
あの、綺麗な髪。かわいらしい瞳……。
「あ゛あー、あたたたたたたたたたたたたたたあぁーっ!」
み、見事な技裁き。……間違いない。
変な技名とか言ってるけど、あの声。ちょっとズレた感じ。



