すべてはあの花のために❽


「オレらのせいで。先生はっ……」

「日向くんたちのせいじゃない。君たちはよくやってくれた」


 理事長に報告をしに行くと、彼はすでに申し訳なさそうな顔をしていた。


「でも、もっと早くに助けてあげられてたら……」

「それはそうかもしれないが、遅かったら彼女は命を落としていたかもしれない。でもまだ生きてるんだ。信じて待っていてあげよう」


 待ってる。……待ってるけど。


「(……オレの目の前で。動かなくなったんだ)」


 今度は知っていたのに。……助け、られなかった。


「(……っ、はるな……)」


 オレはもう。自分のやってることが正しいのか。わからなかった。