すべてはあの花のために❽


「……たすける。はな……」


 他に仕掛けがあるかを見ていた。


「他のページは。……増えた文字はない」


 もうこれだけだろうか。いや、まだありそうな気がする。


「……そういえば」


 この絵本。ページ数が少ない割に結構分厚い。


「それに、……一ページ一ページ半分に折ってある……?」


 ただでさえ分厚いページが、半分に折られていて、そこに話が書かれていた。


「……あやしい」


 日は、もう落ちそうだ。


「……また明日ね、ハナ」


 そう言って、何度も花畑を振り返りながら帰るのが日課だ。


「新発見だ」


 もしかしたら、謎が解けたら本当にハナが帰ってくるんじゃないかと。そんな気さえ起こしてしまう。


「……髪、染めよっかな」


 ハナが好きな太陽に。目立つように。


 それから、帰ってハルナの部屋で今日の報告。


「ハルナ? 今日もハナ来なかったんだ」


 聞こえてるかな? ……うん。絶対あいつになら聞こえてる。


「でもね、この絵本にまた仕掛けがあったんだよ」


 ハルナは一体どこまで気づいたのか知りたかったな。


「今まで出てこなかったのに、今日うっすら文字が出てきてたんだ。何でかな」


 他にもまだあるのかもしれないね。


「……あ。もしかして、ハナの好きな太陽の下で呼んでたから?」


 ぜーんぶさ。見つけてやるんだ。


「よくあるよね。何だっけ? ミカンの汁? あ、でもあれは火であぶるんだっけ?」


 そしたら何か、ハナが来てくれる気がするから。


「……だからさ、見ててね。ハルナ」


 オレが、ハナを助けるところを。


「大切にする。絶対。ハナのこと」


 信じてて、ハルナ。
 ……信じてて、ハナ。