すべてはあの花のために❽


「(……やば。すごい、うれしい……)」


 オレも、そんな気持ちをハナに返してあげたい。
 そう思っていたら、ハナがぼそっと小さく呟いた。


「ルニちゃんならきっと、気づいてくれるから……」

「……?」


 ……? 何に、気づけばいいんだろう。


「大切にしてね? わたしの絵本」

「ハナちゃん……」


 大切にする。絶対。この絵本も。……ハナも。

 そう気持ちを込めて、ハナの手をぎゅっと握った。


「よく、わかんないけど。……うん。大事にする。気づく? は、何にかわかんないけど。何か仕掛けがあるの?」

「は……!」

「(あるんだね……)」


 でも。……そっか。何があるんだろう、この絵本。
 それを見つけるのが、楽しみになった。


「……任せて! わかったら絶対報告するからね?」

「……! ……うん。ありがとうルニちゃん!」


 嬉しそうにハナがそう返してくる。きっと、気づいて欲しいことがあるんだ。
 なんだろう。宝の地図とかあるのかな? ……うん! それならハナと一緒に探しに行きたい!

 それから二人で今日も花を使って遊んだり、お話したりした。会話がなくたって、一緒にいられるだけで、居心地がよかったけど……。


「(……一緒にいるだけで。胸がいっぱいだ)」


 とくんと高鳴る胸を必死に静めて、ハナに気づかれないようにしていた。