すべてはあの花のために❽


 オレは嬉しかったけど、ハナはそうじゃないかもしれない。……あ、ちょっとチクッてした。
 でも、自分ばっかりじゃダメだから。


「……ハナちゃん、嫌だったでしょ。ごめんね?」


 そう言って声をかけるけど、……嫌だとか言われたらオレ泣くわ、絶対。


「ええ!? いやいや! わたしが突っ込んじゃったんだもん! こっちこそ、ごめんなさいぃ……」


 いやいや? ……ああ、そっちのいやか。焦らさないでよ。

 ハナは花畑に頭をこすりつけながら謝ってきた。
 ……あれ? ほんとに、いやじゃないの……? 

 ちょっとそんなことを考えただけで、胸がきゅうってなる。


「(……かわいい)」


 ふつふつと。何か、いろんな感情が湧き上がってくるんだけど。


「(……ちょっとだけ)」


 ……いじわる、したい。


「どうしよっかな~?」

「え!? る、るにちゃん……!?」


 あ。……ハナ、すごいかわいい。


「責任とってもらおっかな~?」

「え……!?」


 とか言ってみるけど、さっきのことをまた思い出してしまう。


「…………いやじゃ、なかった……」


 どうして? ……そんなの簡単だ。
 答えは、……好きだから。


「ん? なに? ルニちゃん」


 さっきのことを思い出して、ぼうっとしてしまう。
 ふわっと香る、甘いにおい。ゼロ距離で見つめる、綺麗な瞳。触れ合った。やわらかいくちび――――。