すべてはあの花のために❽


 ――――どくん。


 そう、思ったけど……あれ。なんでだろ。
 こんなこと、お母さんともハルナともキサとも……。


「(……ぜったいにしたくない)」


 うん。想像しただけで気持ち悪い。
 ……なのに。なんで……。


 ――どくん。


「…………」

「あわわ。……ど、どうしよう……」


 なんでハナには、もっと触れて欲しいとか。思ったんだろう。



『……きっと、すぐに気づくよ』


 ……はるな。これ……。


『……わかるの。はるな』

『うん。だって双子だもん』


 胸が。苦しかったのは……。
 胸が。あったかかったのは……。
 胸が。……チクッてしたのは……。


「(……そんなの、もう)」


 オレがハナを好きだってことじゃん。