すべてはあの花のために❽


 体育館で準備をしてたら、楽器を片付けてくれてた2年生組が来てくれたけど……。


「(何あの笑顔。気持ち悪っ。金魚の糞だし……)」


 男共が全員気持ち悪かった。何があったんだ、さっきのさっきで。
 でも、原因をキサから聞いた。何があったのか教えてくれたけど……。


「(……結婚するつもりがない?)」


 何それ。もしかしてハナ、本当に諦めてる……? 自分がもう、消えてしまうんだって。


「(だったら、あの歌だって意味が変わってくるじゃん)」


 そんなの、本当の幸せなんかじゃない。


「(……意味わかんない)」


 ハナ。なんでもう、諦めてるんだよ。オレに……ルニに託してくれたじゃんか。

 そんな気持ちを抱えたまま後夜祭が始まり、オレらは裏で投票結果のまとめをした。
 ハナがどっか行ってたけど、すぐに戻ってきた。気分転換をするべきなのはアカネたちなのに、ほんとちょっとズレてるとこがいいよね。


「集計できたか?」


 そのチカの声に揃ってグッドサイン。みんなでステージへと戻る。


「……ッ、……っ」

「(ん?)」


 小さく、何かが苦しげに息を漏らした音がした。


「……どうかした?」


 ハナかなと思って斜め後ろを向きながら声を掛けたけど、「え? 何が?」と返された。


「……いや、なんでもない」


 そう言って顔を正面に戻そうとした一瞬。


「(……! はな……?)」


 ハナの瞳が一瞬、赤く色づいていたような気がした。