「あ! 次はヒナタくんだねー」
あいつを生徒会室に監禁して、みんなが授業を抜けだしてあいつを監視することになった。
ていうか、別に生徒会は授業に出なくても問題無いのにね。ほんとエライエライ。
「じゃ。オレのことは気にしないで、好きなことしてていいから」
「ええ?! なんかして遊ぼうよ! ……そうだ! 一緒にマ○カ――」
「理事長に捕まったからしばらくしたくない」
いや、今は逆に理事長を捕まえたいんだけどね。
……なんで捕まんないんだろ。やっぱりなんかあったのかな。
「(にしても、先生からも理事長からも返事が返ってこない……)」
スマホを見ながら、何があったのだろうか……と思っていた。
「……ヒナタくんは何してるの?」
「何でもよくない?」
「えー気になる!」
「なんで」
「え? ……なんでだろ?」
「じゃあ気のせいだね」
「そっか気のせい――はっ!」
ちょっとお馬鹿なとこも好き。
ハナの嫌いなとこなんてない。まあ、たまにあっちの世界に一人で行くのはやめて欲しいけど。
「(シントさんのこと、アオイから聞いてみたけど……)」
『……シントには、わたしが研究しやすいように、いろんな薬品だったり精密機械だったりを、仕分けてもらったり準備してもらったりしてたんだ』
そう言った葵の声がつらそうで、とてもそれ以上のことは聞けなかった。
「(うわ。すっご……)」
いつの間にか、ハナがトランプ全部使って大きなピラミッドを作っていた。
「(……もしかして最後の一枚?)」
今までよりも慎重に乗せていたので、そうなんだろう。
「(ははっ。すごい一生懸命。口開いてるし)」
そんなハナがかわいすぎて、すっとカメラを起動して一枚、完成直後を写真に収める。
「! 出来た! 見て見てヒナタく――」
「ふーっ」
「あああああああ‼︎」
めっちゃ楽しかったー。
写真には、完成直後一瞬だけ嬉しそうにした顔を、バッチリ収めていた。
「何すんだあー!」
ぷんぷん、と怒った顔も好き。
……あーダメだ。ハナといると、オレのキャラがおかしくなる。
「じゃあ何するのが一番好き?」
ヒナタとして、あんまりこんな会話をする機会がなかったのでちょっと話してみようかなと思った。
……謝らないといけないってわかっていたけど。まだちょっと、勇気が足りない。
「なんだろう……最近は、みんなの小さい頃の写真集めるのが好きかな?」
とか言ってきた時は、ちょっと焦った。
「オレのも持ってるわけじゃないよね」
「もちろん!」
「(ほっ)」
「大事にとってあるよ!」
って言ってきた時はめっちゃ焦った。でも、よくよく考えたら。
「(あ。そうか。多分持ってるの、ハルナの写真だ)」
オレが写った写真なんて、みんなのところには卒アルぐらい。ハナが写真を集めるのにくれそうなところって言ったらみんなだけだろうし……それに、回収した時、言ったんだ。
ちょっとわけがあってもらっていきますって。写真のことで、オレやハルナの話は出さないでくださいって。
「(ハナの。写真……)」
結局カメラで小さなハナの写真は収められなかった。記念に撮っておけばよかったって、ちょっと後悔してる。
「その代わり、オレにもあんたの小さい頃の写真頂戴」
「……え。ヒナタくん、ロリコン――」
「違う」
欲しかったけど、でもそんな勘違いされても嫌だったから。
「(ハナの口から話させるか……)」
こっそりボイスメモを起動して、ハナの話を促すように誘導する。
「その代わり、あんたの話して」
でも、やっぱりハナは話してくれない。
「話せないなら写真返せ」
焦るほどあの写真が大切なのか……。
「ねえ、なんで話せないの」と、そう聞いても黙り。言いたくないんだろうなって知ってるけど……。
「あんたのこと、何もわからないんだけど」って言ってもダメ。ほんと、一番わからないといけないところが、あれ以上何にもわからない。
返事も来なけりゃ、調べても何も出てこない。それにハナは怪我するし、自分は何もできない。そんな自分に苛々してたんだ。そして、……ハナと二人きり。



