体育祭が無事に終わったにも関わらず、見回りもあまりできないまま、キサとチカとハナが襲われた。屍のように倒れてた大男たちに、どうやらハナも傷を負わされたらしい。
「お嬢様、立てますか」
「……っ、し。んと……?」
オレが急いで警察に電話をしていると、あいつを迎えにシントさんが来た。みんなも驚いてたから、それにはきちんと乗っかったけど……。
「あれ以来会ってないから覚えてないかも知れないけど……どうも。いつもアキと仲良くしてくれてありがとう。今はわけあって葵の専属執事をしています。アキの兄の信人です」
「ええーっ!?」
まさか、ここでみんなにバラすとは。そんなほいほい言っていいのかなと思ったけど、どうやらアキくんは知ってたみたいだった。
「(あいつ、髪が短くなって……)」
アオイは、確か大事に伸ばしてるんだって言ってたけど……。
「(また短くなったんじゃないの。あいつ……)」
ハナの時間がまた短くなったことで、今日もまた電話が掛かってくるのだろう。
「あいつらの狙いは、……最初っからあいつだった」
オレはアオイからその話を聞いてはいたけど……。
「(みんなにバレたから、ハナは問い質される、か……)」
オレは……まあ聞きたいことはないし、心の中で応援だけしておこう。その時は。
「(いい雰囲気については、寝る時にでもチカを絞めるとして……)」
あの人数の大男を、ハナが一人でやっつけたとなると……。
「(……出てきたかな、アオイが)」
きっと、話をしてくれるだろう。アオイはハナと違って、結構すぐに吐いてくれるから。
「さあお待たせしました。次はアキくんの番ですよ」
どうしてシントさんがハナの専属執事になったのかとかは聞いてなかったので、アキくんを問い質した。
「でもさ、本当に執事なの」
シントさんの写真を見た時は、ちゃんと仕事してるっぽかったけど……。
「いや、それにしては馴れ馴れしかったなと」
あの時実は、ちょっと苛ついてたりもする。あんたんとこの執事、主に手出してるよって。……言っちゃおうかなほんと。



