すべてはあの花のために❽


『明日は、オタクとエロとお家でダブルデートらしいよ?』

「ブフウ――……ッ!」


 コーヒー吹き出した。最悪。うっわ。茶色くなったし。


『え……!? なんかすごい音がしたけど!?』

「だ、大丈夫。……じゃないけど」


 何、デートって。やっぱり本当は好きなんじゃない、アカネのこと! 


『……なんか、オタクってわけありみたいだね』

「まあ、そうだね」


 中学からなんとかってキャラにハマって暴走した。それまでは、ただ柔道と絵を描くのが好きなだけだったはずなんだけど。


『……多分、願いを叶えに行くよ』

「……そっか」


 だったら、何か手伝えること……。


『お祖父様とお父様は、ご無事だろうか……』

「……聞きたい?」

『……ううん。自分の目で見てくる』

「そっか」


 そういえば、二人のことはアオイも出すけど……。


「アオイ? ナズナさん……アカネの母親には何もしてないの?」

『直接はしてないはずだけど。でも、二人を襲ったんだから、彼女も結局は傷ついてるよね』

「(そうは感じさせないくらいパワフルだけど……)」


 でも、……そうか。今回は、これがギリギリのラインかな。


「(多分ハナは、アカネの家全部を助けるだろう。憂いはみんなの家のことだから……)」


 今日は愚痴を吐く時間もなく、アオイの時間が終わるらしい。


『それじゃあ、葵寝かせるね』

「うん。……おやすみアオイ」

『おやすみヒナタ! また明日』


 明日も電話してくれるんだなって思ったけど。


「……なんでカナも一緒なの?」


 そこだけがイマイチよくわからなかった。


「……まあ、ハナが体育館裏での話をしてる時からちょっと様子がおかしかったからな」


 自分の組の奴らなんじゃないかって、うすうす勘付いていたんだろう。


「カナのところはマジで危ないからな……」


 なんとか助けてやりたいけど、誰も話を聞いてくれそうにない。


「あそこは、ハナに頑張ってもらうしかない、か……」


 あとのフォローを、しっかりしていくしかなさそうだ。
 そうこうしているうちに、アオイからハナを襲った奴らの名簿の写真が送られてきた。


「……そっか。こいつらは一応、組の奴らだった」


 やるなら徹底的にやってやろうと思ったオレは、朝方彼女に連絡を入れるため、今日は寝ずにそのままその三人について調べまくった。