すべてはあの花のために❽


 それからアオイが知っている、アオイたちが引き起こしてしまった事件について、話をしてもらった。


「二宮道場の出で、五十嵐組に入った人たちをけしかけて、恩師を襲わせてユズと先生も襲ったと」

「……うん」

「それから、柊の会社を内部から壊して、尚且つアキくんを誘拐しようとした犯人も同じと」

「……根本は、わたしたちだけどね」

「それはだから無理矢理されたんでしょ? ハナやアオイが悪いんじゃないんだって。自分を責めちゃダメ」

「……うん」

「彼らはすでに捕まっている……と。それから? 他には何か知ってることない?」

「前に『これがお前の罪だ』って言われて。柊の会社の人の名簿を。見せられたことがあるんだ」

「……そう」

「そこに、カエデがいた」

「え?」

「多分、カエデはあそこの元社員。なんで今、アキラに付いてるのかまではわからないけど……」

「……そっか」


 そういえば、彼の連絡先もあの中に入っていた。彼も、関係者だったか。


「(駒にできそうな、いいポジションにいるじゃん。カエデさん?)」


 その時カエデは、何でか知らないけど寒気がしたらしい。


「それじゃあ、この人たち知ってる?」


 オレは、アオイにスマホの写真を見せる。


「……アザミでしょ? エリカ。秘書。国務大臣……」

「うん。そうだね」

「……これ、製薬会社の息子」

「うん。名前わかる?」

「確か、日下部薫」

「……じゃあこいつは?」


 オレは知ってたけど、アオイにも聞いてみることにした。


「……月雪、蓮……」

「……ん? どうしたの」


 少し、葵の雰囲気が張り詰めた気がした。


「こいつも、さっきの名簿に載ってた」

「……柊の、犠牲者……?」

「手を組んでた柊が倒れたから、そこにおんぶにだっこだった月雪も潰れた。今は、名前だけ亡霊みたいに残ってる」

「……そうなんだ」

「今は、葵を見てる」

「え?」

「監視なんだ。こいつが」

「(……へえ)」


 だから、うろちょろしてたのか。


「(じゃあ、もしかしてこいつが体育祭の資料を……)」

「……これ、誰?」

「え?」