すべてはあの花のために❽

「……なんでわかんの。そんなに。わかり。やすい……?」

「ううん。みんなは多分、他の人が見てもわかるくらいわかりやすいけど、日向はきっと、あたしたちじゃないとわからないよ」

「それもいや」

「いいんじゃない? 一番バレたくないあっちゃんは、誰のこともわかってないよー」

「それもそれで、あいつが心配だけど」

「うむ。それは同感だ」

「……キサさ、あいつにいろいろ教えてやってよ」

「ん? どういうこと?」


 いろいろ、家族のことであいつは苦しんでる。欠けてる部分は、あいつの中にもたくさんあるはずなんだ。


「そのうちわかると思う。取り敢えずは、そういう気持ちのことかな」

「ん? 好きって?」

「わかってたら何となくわかるでしょ。オレらの気持ち」

「確かにね。……うん。任せなさい!」

「……あいつのこと、ちゃんと見ててやって」

「日向?」

「オレに、……勇気が出るまで」

「早くしないと、誰かに持ってかれるかもだよ?」

「それはそれで、あいつが幸せならオレはそれで嬉しいよ」

「…………」

「オレもちゃんと見とくけど、でも近づいたら怖いからさ? キサにお願いすることもあると思う」

「……あんたがそれでいいなら。後悔しないんなら。日向の代わりに、あたしがなってあげるよ」

「うん。……ありがと、キサ」


 それからようやく、キクのプレゼントを買いに行った。


「そういえば二人は?」

「杜真に連れ回してもらってる間に買おうと思って!」

「なるほどね」

「あっちゃんってさ、よくいろんなことに気がつくよね」

「ん? まあそうだね。それが?」

「ううん。……ただ、そう思っただけ」

「??」


 きっと、こんなことを思ってる、誰よりも大切に。大事に思ってるこいつの気持ちにまで、……彼女なら気がつくんじゃないかな。


「(……うん。あっちゃんならきっと、こいつの気持ちにまで気がつく気がする)」


 ――――女の勘って、よく当たるしね?