すべてはあの花のために❽


「(まずは………………きさ、か)」


 みんなの友だちになって少し経った頃。キサから本当の親が別にいることを聞いた。別に捨てられたとかではなかったみたいだけど、ショックが大きかったみたいでしばらく会わないこともあった。
 あいつがもし、本当の親に会いたいって言った時、少しでも手助けしてやりたい。


 それからみんなことを、観察対象としては見なくなった。
 オレのことをわかってくれたみんなのこと、オレも、わかりたいと思ったから。


「(……そっか……)」


 やっぱり遠くでカメラを持って来てはいたけど、みんなが遊んでるのを見ていた。でも、今までの見方とはちょっと違う。
 レンズ越しでも何でもない。みんなの気持ちが、ちょっとわかった気がした。


「(……おうりも、あかねも、ちかも。……なんかさみしそう……)」


 もしかしたらトーマも気がついてるのかな。と思ってこっそり聞いてみたら、苦笑いしてたからすごいなって思った。


「(……おうりは声、出ないからかな……)」


 オウリも、オレらと同じ時にみんなの輪に入れてもらった。でも、その時から声を聞いたことなくって。表情だって、やっと時々笑うようになったくらいだ。


「(……なにが、あったのかな)」


 聞きたくても聞けなかった。()()()()()()()()ってことは、きっとつらいことがあったんだと思ったから。


「(……なにかあったら、いつでも相談にのってやろう)」


 一人でそうやって自己完結。でも、これが子どものオレにできる、精一杯だった。
 アカネも、お父さんが車椅子だってことしか知らないけど、何か我慢してるようだったし、チカは、ふとした瞬間に寂しそうな顔になる。


「(……うん。またいじり作戦を決行しよう)」


 泣かせてやったら、寂しい気持ちなんか忘れるでしょ。

 こじれたオレには、そんなことしかしてやれない。自分が、笑うことなんてできないんだ。人を笑わせることなんて、そんなこと。……オレには、できない。