すべてはあの花のために❽


 それからHRも終わって、三人で理事長室へと向かう。


「やあ! 待ってたよ~いらっしゃい」


 そう言うや否や理事長は、何故かオレら全員にコントローラーを持たせる。


「さあ! はじまるよ!」


 そうしたら丁度ランプが青に変わり、みんなが一斉に走り出した。
 負けず嫌いだから結局参加するけど、理事長が逆走していたのは完全にスルーして三人で楽しんでいた。


「いやあー! ここで雷やめてえー!」

「うわ! ここで雷とかマジ卑怯! つか誰だよ潰しやがったのは!」

「~♪」

「おいオウリ!! お前、後で覚えとけ――」

「はーい、赤ガメ発射ー」

「うぎゃああああーッ!!」


 いつの間にか入ってきてたキクも、こんな調子で完全に楽しんでいるオレたちを見てたんだけど。


「ねえ、今扉開かなかった?」

「は? ……開いてねえじゃん」

「??」

「わああああ!!」

「でも今、バタンって音聞こえたんだよね」

「用があったら入ってくるだろ」

「(こくこく)」

「どっしぇえええ!!」


 そうこうしていたら、「理事長? 入るよ~」と、いつもよりも警戒した喋り方のカナの声が聞こえた。


「(……まあ。だいぶ気が紛れたけど……)」


 そう思ってちらりと理事長を見たら、オレの方を向いて小さく笑っていた。


「(ハイハイどうも。アリガトウゴザイマシタ)」


 的な目線を向けたら、しゅんってなったけど。