すべてはあの花のために❽


「(げ。あいつも入ってるじゃん……)」


 登校して、理事長が去り際にあんなことを言ったのがわかった。


「(見えないところで守るって。助けるって言ったのに、ばっちり近いんですけど。どうしてくれるの理事長……)」


 教室に入ると、オレの姿を見た途端オウリが飛びついてきた。


「嬉しいのはわかったけど、男に抱かれる趣味はない」

「(ぷんぷん!)」

「そう言う意味じゃないってね。わかってるよもちろん」

「(※笑顔で四角い枠を作って、その一番下を指す)」

「ん? ……ああ、あの人確か昨日オウリが助けてもらった人でしょ」

「(こくこく!)」

「ん? その人と友達になりたい?」

「(なんでわかったの!?)」

「顔に書いてある」

「(※顔をぺたぺたする)」


 こんな嬉しそうなオウリ、久し振りに見たかも。


「(あいつが近い距離にいると、オレのこと知られそうで怖いんだけど……)」


 でも、みんなも助けてあげたいって前から思ってた。


「(……オウリにとって、あいつがいい影響を与えてくれるなら、オレから距離を取ればいいか)」


 そう思って、頭にぽんと手を乗せてやる。


「みんながいいって言うならいいんじゃない? オレはどうでもいいけど」

「(だったらみんなに連絡するー!)」


 そう反応して、大急ぎでスマホに文字を打ち始めた。


「(オレと会った瞬間わかったりしたらどうしよう……)」


 ま、そんな心配も塵と化すけど。