時刻は18時。 「……ほい。確かに」 ある教室で、誰かがたくさんの用紙を渡している。 その用紙を、物影が確認しているようだ。 会話の内容は、よく聞こえない。 「……はあ。じゃあ。『約束』だからな」 「ありがとうございますっ」 その用紙を確認し終わった代わりに、ある書類を手渡す。 受け取った人は、相手に深く頭を下げ、部屋を出て行った。 「……時間が、ないのか……」 残った誰かがそう呟いたのは、誰の耳にも届くことはなかった。