すべてはあの花のために⑦


 言いきる前に、何人かが一斉に壁へ貼り付けになる。


「……ふう。寝てないしご飯もあんまり食べてないし久し振りに体動かすから、本領発揮とまではいかないっかな~」


 バキボキと、葵が指を鳴らして楽しげに笑いながらそんなことを言う葵に、激震が走った。ちなみに吹っ飛ばしたのは回し蹴りだったのですが、早すぎて常人には見えませんでした。


「ミズカさん、そっちは頼みますね」

「お、お前。俺までぶっ飛ばすなよ……?」

「ぶっ飛んだらバカも治りますかね?」

「お前なあ……」


 その間も、じりじりと敵が二人を囲み始めている。
 お互い背を預け合って、ふっと笑い合う。


「嘗められたもんだ」
「嘗められたもんですね」


 そして、同時に地面を蹴った。



「「――さあ、お掃除の時間だっ!!(です!!)」」