言いきる前に、何人かが一斉に壁へ貼り付けになる。
「……ふう。寝てないしご飯もあんまり食べてないし久し振りに体動かすから、本領発揮とまではいかないっかな~」
バキボキと、葵が指を鳴らして楽しげに笑いながらそんなことを言う葵に、激震が走った。ちなみに吹っ飛ばしたのは回し蹴りだったのですが、早すぎて常人には見えませんでした。
「ミズカさん、そっちは頼みますね」
「お、お前。俺までぶっ飛ばすなよ……?」
「ぶっ飛んだらバカも治りますかね?」
「お前なあ……」
その間も、じりじりと敵が二人を囲み始めている。
お互い背を預け合って、ふっと笑い合う。
「嘗められたもんだ」
「嘗められたもんですね」
そして、同時に地面を蹴った。
「「――さあ、お掃除の時間だっ!!(です!!)」」



