「……あ。そうそう。あおいちゃん? 私、春から高校の方に異動になったの。だから、レンくんだけじゃなくて私もあなたの監視をするから、よろしくね?」
「……はい」
もう、心は決まったんだ。何を言われようと、あそこでは『道明寺 葵』だ。
「……そうだな。ちゃんとお前にも言っておくか」
そう言って、まずはアザミはカオルの横に立つ。
「日下部グループは製薬会社がメインだ。そこと手を組んでいたから、もう一人には薬の開発をここと一緒に進めてもらっていた」
次にコズエの横へ。
「お前は知らないだろうな。話をしたのは、もう一人だ。アメと言ってな。ある仕事を頼んだんだが、その仕事を最後に命を落とした」
「え……」
「その娘だ。忠実に働いてくれているよ」
「ありがとうございます。アザミ様」
……そんな。本当に……?
「でも、酷いじゃないですかっ。危うく母のように死ぬとこでした!」
「すまんすまん」
入院は実際にしたみたいだ。それだけ、彼女も駒扱いをされているということだ。
……いつでも切り捨てる。それでも彼女は、ここに来たのか……っ。
そして次にレンの隣へ。
「月雪は、倒産したところと手を組んでいた。お前のせいでここも潰れたが。今は名前だけを亡霊のように残して、いい具合に使わせてもらっている」
レンの、葵を見てくる視線が。……酷く痛い。でも、それから逸らせるはずもない。逃げる資格すらないのだから。
けれど「最後に」と、何故かアザミはアイの横へ立った。
「……え。あい、くんは……」
さっきのこと以外に、何があるっていうんだ。
「藍は情報提供者だ」
何の、なんて。知りたくなかった。
「あれから、花畑には行っていないんですかハナさん?」
「……!?!?」
「あの少女も不運でした。でも、あおいさんがいけないんですよ? きちんと、家の駒でいないといけないんですから」
「……っ」
……もう、涙しか出てこない。
責める気なんて、起きるわけない。
……だって全部。自分が、……悪いんだから。



