そう言って、アザミは写真を指差す。
『ぼう、りょく……。知ってる……。こわい人が、いっぱいいるとこ……』
『それでね? あおいちゃんに少し相談なんだ。是非、頭がいいあおいちゃんの知恵を貸して欲しい』
『……わたし、きもちわるい。です。役に、立てない……』
『ううん? そんなことないよ。……私は、君を信じている』
『……なんで、ですか? きょう、はじめて会った、のに……』
『これは私の勘だ。きっと君は、世界を平和に導いてくれる』
『……?』
『それは置いておいて。……ここの組がいつも悪さをするから、何とかしたいんだ』
『……なんとか? どこまでしたいんですか?』
『……できれば、ここの組を潰したい』
葵は考え込む。でも、その横ではアザミが楽しそうに嗤っていた。
『……この人』
『ん?』
『この人、このおんなの人がだいすき? なんだと思うんです』
『(……まあ夫婦だからな)』
『このおんなの人、いなくなったら、きっと寂しいんじゃないかな……』
『…………(最初の標的は女か)』
『わかんないです。つぶす? まではできないかも。ぺっちゃんこには、できないですけど……』
『うん大丈夫だ。手始めに、ちょっとこの女性に声を掛けてみることにする。……ありがとうあおいちゃん』
そう言って、アザミは葵の頭をよしよしと撫でて帰って行った。
初めに花びらをもぎ取ったのは…………
ナ
デ
シ
コ
の
花。



