すべてはあの花のために⑥


「ふう。……悪いわね。あおいちゃん」


 扉を閉めたあと、コズエは小さくそう漏らす。



「……申し訳ないけど、朝倉先生よりはよーく知ってるわ。あなたのこと」


 コズエは部屋の角に積まれた書類の山をちらりと見遣る。



「私はあなたのお父様方と一緒。…………いいえ? きっとそれ以上かもしれないわね」


「さてと。夕ご飯の準備でもしますか」と、コズエは数人分の料理を作り始めた。