すべてはあの花のために⑥


 それからあっという間に3月が終わろうとしていた。


「あれ? あっちゃん今日も遅刻なんだね」

「あはは。すみません」


 葵はというと、ここ数日前からよく学校に遅れて来ていた。


「どうしたんだ葵。……まさか家に何かされてるのか」

「いえいえ。そんなことはないですよ?」


 3月に入って少し経った頃。葵が今まできちんと登校をしていたのに、ギリギリに登校するようになり。最近では1限に間に合わなくなり、だんだんと来る時間が遅くなってきていた。


「アオイちゃんどうしたの? 寝不足ー?」

「あ。はい。ちょっと今片付けというか、整理をしてるんです」


 アカネがそっと、葵の手を握る。険しくなったアカネの表情に気がついたツバサも、葵の手を頬杖を突きながら握った。


「あ。二人ともすみません。外が寒くって。手袋も忘れて……。……冷たい、ですよね」

「(……別に倒れたりしないし、おかしくなったりもしてない)」


 ――……でも、何かがおかしい。


「(……なんだ、これ……)」


 ツバサは苦しげに葵を見上げる。


「……?」


 葵は至って普通に首を傾げているけれど……。


「(……なんで今、こいつのこと……)」


 消えていっちまいそうだなんて思ったんだよ。