すべてはあの花のために⑥


「翼、明日の午後から道場を借りられるよう手配しておけ」

「え? と、父さん……?」

「この私に、ここまで言ってくるんだ。それ相当に強いんだろうな、道明寺の小娘が」

「わたしがお話ししたいのは、議員のあなたではなく、父親としてのあなたです。何遍言えばいいんですか。一回で聞き取れないんですか、議員のくせに」

「え? ちょ、葵。お前――」

「つばさあ!! 今すぐこいつを摘まみ出せえ!!」

「いやいや父さん! 頼むから落ち着いてって!!」

「はあ。めんどくさ」


 そんなこんなで、明日の午後からトウセイと手合わせをしてもらう約束を取り付けた葵でしたが。


「いいか! お前は目上の人に対しての礼儀がなってない!! 俺が徹底的に叩き込んでやる! そこに直れえッ!!」


 完全にツバサの父と化したトウセイに、フローリングの冷たい床に正座させられて、日を跨ぐまで説教されてしまったけど。


「(何で俺まで……)」

「(仲良くお説教なんて初めてっ!)」


 道連れのツバサはしょんぼりしてたけど、葵はというと、目をキラキラしながら説教をうけていたので、それがまたトウセイの癇に障ったみたい。パシンッとスリッパで頭を叩かれた。(※ツバサが)