それから二枚目も無事に作り終えた葵たちは次の体験へ。葵は只今、ガスバーナーを使ってとんぼ玉を製作中です。
「ねえ」
「え? 何? 今危ないから話しかけちゃダメだよ」
「気をつけてね。ほんとそれ、火強いから」
「う、うん。(珍しい……)」
「ちょっと触っただけで絶対に火傷するからね」
「うん。ありがとう(なんだ。心配してくれて――)」
「ほんとに危ないからね? 絶対に触ったらダメだから。ねえ。聞いてるの? ほんとにダメだからね」
「いやいや、君さっきからわたしの腕掴んで何しようとしているんだい」
「いや、ほんとに危ないから押さえててあげようかと思って。ほんと、ダメだからね? わかってる?」
「うん。すごいフリが来てるのだけはひしひしと伝わってきてる」
「伝わってるならよかった」
「やっぱり火傷させる気満々じゃん!」
「ほら、マジで火傷するから。早く作って。交代」
「ぶうー」
そんなこんなで終始いじられたけれど、二人とも無事にとんぼ玉ブレスレットが完成した。
「お揃いだね!」
「呪われるかもしれないから、帰ったら180℃に温めたオーブンでチンする」
「え。そ、そんなに嫌だ……?」
「冗談だし。……ほら。さっさと待ち合わせ場所行くよ」
ほんとにさっさと歩いていくヒナタの背中を見て、葵はひしひしと思いました。君が言うと、冗談がほんとに聞こえてくるから怖いんだよう……と。
「まだみんな来てないね」
「オレらが一番早く終わったみたいだね」
Tシャツ二枚も作ったんだけど……と、二人口を揃える。



