すべてはあの花のために⑤


「(それだったら他に、この中でやってそうな男子いなくない? いたらごめんだけど)」


 勘が外れた葵は、確実なキサに聞いてみることにした。


「じゃあキサちゃんは、キク先生といつやったの」

「な、なんであたしに聞くんだっ?!」

「こういう話聞くの、わたし大好物になったの」

「~~……っ。じ、じゃあ、あっちゃんにだけね……?」


 葵は耳打ちで教えてもらった。


「……?」


 そして、指を折って数える。


「……キサちゃん。相手はキク先生で間違いないですよね」


 顔を真っ赤にして何度も頷くキサに、「へえ」と一発。


「なんだよ! 気になるだろっ!」

「あおいチャン教えて教えて!」

「おれにも~!」

「これは女同士の大事な話だから、男の君らには教えられないよ。……あと、見本にしない方がいいからさ」

「あっ。あっちゃん……!」


 その頃キクは、ぶるっと悪寒を感じていたらしい。
 安定のヒナタはずっとスマホでみんなの様子を撮っていたので、ちょっとあとでくれるか聞いてみることにしようと思った。


「それはそうとカナデくんさー」

「え。また俺に戻るの」


 完全にカナデをロックオンしていたので、カナデはもう半分諦めていた。


「ユズちゃんとは(、、)って言ってたよね? ということはやっぱり、ファーストはもうお済みだと」

「――……!」


 葵のニヤニヤ攻撃に、カナデは小っちゃくなってしまった▼


「やれやれ。いつファーストがお済みなのですかねえ」

「そうだな。ヘタレのカナはいつなんだー?」

「でもちかクンはあおいチャンでしょお?」

「おれもだけどね~!」

「おっ、オレの話は今どうでもいいだろうが!」

「あれ? もしかしてチカ、あっちゃんが初めてじゃなかったりする?」

「…………ど、どうだったかな~?」


 まさかの事実発覚でみんな若干顔が引き攣っている。一人を除いて。