そして葵たちはぐるっと首里城を見学したあと、休憩所の前に来た。
「ここで待ち合わせ?」
「おう。腹決まったか?」
「わたしは大丈夫だけど、みんなが心配――」
「あっちゃーんっ!」
「――!」
「しなくてもよさそうだな」
いきなり後ろからキサに抱きつかれて、二人揃って地面と『こんにちは』した。
「いてて……。だ、大丈夫キサちゃん?」
「あっちゃ~ん。ごめんよお~。しんぱいしたよお~……」
抱きついてくるキサの頭を撫でていると、その後に続いてみんなもやってきたので、「心配かけてごめんなさい」葵は深々とみんなに謝った。
「それから、昨日もめちゃくちゃ迷惑掛けたみたいで、ごめんなさい」
「それはいいんだって、さっき言っただろ」
「そうなんだけど、やっぱりわたしがやったことには変わりないと思って。謝って済む問題じゃないけど……ほんと、ごめんなさい」
「あっちゃん……」
「キサちゃん。デリカシーのないこと言ってごめんね」
「……じゃあ、今日は一緒にお風呂入ろうっ。それで許してあげる!」
「え。それで許してくれるの?」
「うん! だってみんな、あたしなんていっそ興味ないらしいから、全然問題ないし~?」
空気がちょっとピリッとしたけど。……まあ、それは置いておいて。
「だったら今日はしっかり確かめてあげよう!」
「それは遠慮しとく。流石に恥ずかしいから」
キサと葵は、一緒に立ち上がりながらおかしくなって笑った。
「アカネくん。いろいろ暴露したみたいでごめんね。あとカナデくん」
「いいよ。あおいチャンが元通りなら」
「なんでついでみたいに言うのっ!?」
「だってカナデくんだし?」
「俺だから?」
「カナデくんの日頃の行いが悪いよねー」
「えー……」
「ヒナタ様々も、大変申し訳ないことをしたでござるよ」
「謝る気あるの、ないの。どっち」
「あ、あれ? ち、チカくん! 彼めっちゃ怒ってるけど……?!」
「どう考えたって、お前がそんな言い方したからだろ……」
そっかと思い直し、葵は土下座ポーズ。
「申し訳ない主! 下僕のわたしが、大変失礼なことをしてしまったそうな! どうぞ、煮るなり焼くなり好きに――ぐはっ!」
「声もうるさい視界もうるさい。世間の皆様にどん引きされてるオレの身にもなれ」
「いひゃいよお~……」
葵は、ヒナタに横腹を蹴っ飛ばされた。



