「……あおいチャン、本当にどうしちゃったの?」
「あーちゃん、やっぱり変だよ」
そして、逃げた場所は彼らのところ。
「あ。ウサギさん。この間はオオカミだったね」
「うん。別にその通りだけど」
「……でも、よかったね声出て。お母さんにも泣いて抱き付いて。……こういうのなんて言うんだっけ。マザコン?」
「あーちゃん。それは流石に怒るよ」
「何言ってるのウサギさん。ほんとのことじゃない」
「言っていいことと悪いことがある。おかしいってわかってるけど、それ以上なんか言うと流石のおれでもキレるよ」
はっきりと言い切るオウリの姿をみんなも見たことがないのか、ちょっと驚いているようだった。葵も、一瞬驚いたように目を見張ったものの、次の瞬間には愉しそうににやりと笑う。
「へえ。それは楽しみだ」
「あおいチャン! もうその辺でやめ――」
「……!?」
アカネは二人の間に入ろうとしたが、その前に葵がオウリの腕を掴んで、自分の胸に引き寄せていた。
「つらかったね。苦しかったね。わたしの胸で泣いていいんだよ?」
どこか愉しげな声に、オウリは自力で脱出。すると案の定、葵は笑っていた。
「……そんなに、母親が大切?」
「だったら何」
「ううん。馬鹿らしいなと思っただけ」
流石にぷっつんしたオウリが葵に掴みかかろうとしたが、それをチカゼとヒナタ、カナデと復活したツバサが取り押さえる。
「あおいチャン、ほんと。どうしちゃったの」
アカネは心配そうに、でもこれ以上誰かの傷を増やさないように、手首を掴んで離さない。
「あ。オタクさんだ。昨日は熱烈な愛の告白とキスをどーもー」
みんなは驚いて固まるけれど、アカネは何も言わなかった。
「……何も言わないの? つまんない」
「なんでわざとみんなに嫌われようとしてるの」
そう言うアカネに、みんなは眉を顰める。
「……だってわたし、みんなのこと大っ嫌いだし?」
絶対におかしいと思って、みんなは目を見開くけど「でも一人だけはダイスキー!」と、葵は彼の元へと飛び付く。
「えっ。あ、……葵?」
「ふふっ。なあに王子様?」



