「うっ……!」
「アオイちゃん。それ、特別美味しいものじゃないから」
葵は『お残しは許しまへんでえ!』精神で完璧に飲みきったが、何とも言えないような顔をしていた。
「……な、なるほど。こんな感じか……」
「あ、アオイ? ほら、さっき買ったもう一本で口直ししろ? な?」
「う、うん。ありがとお~……って、痛っ?!」
「いや、そういうもんだからこれ」
チカゼが葵の隣に座って、看病してあげているかのように背中を支えながら葵が買ったもう一本の飲み物を渡す。ちなみに葵が飲んだのはカ〇ピ〇ソ〇ダ。乳酸菌飲料も飲んだことがないので、「あ! これいいじゃん!」と一石二鳥精神でそれを奢ってもらいました。「なら最初からそれにしとけよ」とチカゼには言われてましたけどね。
「治まったか~。大丈夫か~?」
チカゼが背中を摩っていたら、いきなり葵がガクッと項垂れた。
飲み物は残念ながら零してしまって、ヒナタのベッドがべたべたに。
「うわっ。マジ最悪なんだけど」
しかし、何よりも葵の様子がおかしいので、みんなして葵の顔を覗き込む。
「え。オレ放置? なんなのみんなして」
もしかしたらチカゼがここで寝るようになるかもしれないが……それはさておいて。
心配そうにみんなが見つめていると、急に葵がガバッと起き上がった。
「おいっしい! なにこれーッ!」
そう言うや否や、葵は一気にそれを飲み干していく。
その勢いが激しすぎて、葵の口元から零れ首筋を伝って胸元へと下りていく白濁した液体を見て、男性陣は揃って葵から目を逸らしていたけれど。「……何想像したんだお前らは」と、キサは呆れていたけれど。
「ん? あれ。もうなくなったんですけど」
上を向いても、空になったそれからはもう、一滴もこぼれ落ちてこなかった。
「えー。もっと欲しい! あ、ツンデレくん。買ってきてよ」
「は、はあ? お、おま、やめとけもう。夜中に何遍もトイレ起きるようになんぞ」
「そんなのじじばばの話じゃない。ばっかじゃないの」



