そして何故かみんな、朝ご飯の時はずっと無言だった。
でもちらちらこっちを見てきて、……ちょっとむかむか。
そんな視線の理由を答えてくれないまま、葵たちはバスに乗って、首里城へと向かった。
「あ、あっちゃんあのさ、もしかして昨日のこと覚えてない?」
「え? 何のこと?」
再びシンクロ率100%のため息に、葵プチ切れ。
「ああもうっ! はっきりして!」
「あ、あのねあっちゃん。あたしたちも驚いてるから、何とも言えないんだけど……」
どうやら葵の記憶がないところを埋めてくれようとしていたのだが、慌てたみんなは「やめとけ!」と全力で阻止しようとしてくる。けれど「うるさいっ!」と葵はみんなを一喝し、キサにお願いすることに。
――――――…………
――――……
時は遡り、昨夜のヒナタの部屋でのこと。
「ねえ。なんでオレの部屋なわけ。意味わかんないんだけど」
「え? だって日向の部屋だったら隣はあたしだけで、もう一つの隣は部屋ないし」
「近所迷惑にならない部屋が君の部屋だからだ! 諦めたまえ!」
明日は10時前に出ようという話になり、今日はみんなでちょっとだけ夜更かしすることに。
「(なんとかやることはやれたけど。……1時前には自分の部屋に帰ろう)」
それからいろいろあって、みんなでじじ抜きをしようということになった。
「ねえキサちゃん。ばば抜きと何が違うの?」
「あっちゃん、じじ抜きしたことない?」
「したことないというか、一人か二人でできるようなのしか基本知らない~」
一からルールを教えてもらい、負けた人は罰ゲーム。みんなに一本ずつ飲み物を奢ることになった。始めて以降さくさく黙々とじじ抜きは進んでいき…………。
一抜け ヒナタ
二抜け キサ
三抜け オウリ
四抜け アカネ
五抜け ツバサ
六抜け カナデ
七抜け アキラ
「くっそ!」
「あーまただー……」
すでにどのカードがひとりぼっちなのかわかっても、二人でこんなことを結構長い間やってたりする。永遠としかねない程どっちもが引き当てなかったので、葵とチカゼ両方が罰ゲームに。



