葵が作ったスマホケースには、小さな色とりどりの花に、12種類のスワロフスキー。桜の押し花をひとつと、最後に……。
「(四つ葉は、見つからなかったけど)」
クローバーを四枚、それらしくなるように並べた。
出来た作品を早速自分のスマホに付けて、……うんっ。満足!
「あっちゃん見て見て~」
「え。……嘘。これ作ったの?」
キサが作ったネイルは、まるで売り物のようにとても繊細で尚且つキュートに出来上がっていた。
他のみんなもすごく綺麗に出来ていたけれど、葵が一番ビックリしたのはツバサのリングだった。
「ええ! お花が中に閉じこもってる!」
押し花が、透明の小さなドームの中へ綺麗に収まっていたのだ。
「すごいわよね。アタシもビックリ」
「とっても綺麗! ツバサくんの長い指にもぴったりだ!」
「それはどーも」
ツバサも出来映えに満足しているご様子。もちろんそれはみんなも一緒。
気まずかった空気もなくなっていてよかったと、葵はほっと安堵の息を吐いた。



