「……やっぱり、事故ちゅーか」
二人して口元押さえて真っ赤にしてるんだからそうだろうと、キサは腕を組んで頷く。
「まあ二人もビックリしてたみたいだし、ほんとたまたまなんだからさ。……そ、そんな怖い顔しなくてもいいんじゃない?」
キサの考察に、徐々にみんなの顔が険しくなっていく。
「俺、もう一回お風呂入ってくる」
「「俺も」」
ツバサも男モードスイッチON。
三人もさっと立ち上がって、自分の部屋の棟へと帰って行った。
「え? 立てるんじゃん」
「浴衣が油吸ったんじゃない?」
淡々とそう答えるヒナタ。
「あんたはそんなピリピリしてないんだね」
「まあ事故だし。しょうがないでしょ。あいつらも別に、アカネのこととっちめに帰ったわけじゃないと思うよ」
「え? 違うの?」
「……多分、もっとあいつが危険な状態になったんじゃないかなとは思うけど」
「え。……もしかして、グイグイ攻める気ってこと?」
「恐らく」
キサは必死に念じました。
『あっちゃん! 絶対部屋から出てこないで!』
…………と。



