「お、おい! オレも早く剥がしてくれよ! 誰か来たらハズいんですけどっ!」
「その前にチカくん。君の部屋はどこかね」
「は? お前の隣だけど」
「よくやってくれた! 悪魔の隣とか、全然寝られそうになかったから助かった!」
後ろで悪魔さんの殺気を感じたが、取り敢えずチカゼの救出を開始。
「……んだよ。オレが隣で嬉しいの」
「え? あーそりゃ、誰かに比べたらまだ安全かと思っ」
葵は、さっきと同じようにチカゼの手を掴んで、自分の肩に乗せていたのだけれど。
「オレだってお前のこと寝かせねえけど」
「――?!」
いきなりしゃがみ込んだかと思ったら、耳元で爆弾を落とされたので、つい切り突き飛ばしてしまった。
「あ、遊んでないで早く寝るぞ!」
「いや、そう意味で言ったんじゃねえんだけど」
チカゼは完全にとりもちの上に尻餅をついてしまった!▼
「小麦粉の力すげえ!」
「でしょう! 二次災害を防ぐのにはこれが一番なんだぜいっ」
そして、二人は小麦粉の凄さを語り合った▼
そんな二人を見て「あの子らバカなの?」「うんバカだよ」と、キサとヒナタは話していたけれど。
そしてようやくチカゼも剥がれました。
「よーし取れたぞチカくん! さっさとお風呂に――」
「んっ。さんきゅ、アオイ」
「――……?!」
チカゼは小麦粉まみれの葵の頬にキスを落として、葵の隣の自分の部屋へと戻っていった。
「……何してんの」
「えっ? ヒナタく――っ、痛い! 痛い痛い……っ!」
「あらまー」
どっから持ってきたのか、ウェットティッシュでチカゼにキスを落とされた頬を、これでもかと言うほど拭い……擦りあげられた。しかも「ついでに」と顔全面力強く拭かれたので、葵は自分の鼻や目が完全に移動したと思った。
「よし。こんなもんかな」
「ひ、ヒナタくん! わたしの鼻はどこにある?!」
「は? ここだけど」
「え」
ヒナタがツンと突いたのは、まさかのおでこ。
本当に動いてしまったのかと、葵は小さく蹲った。



