「――――してよ! ねえ! ねえってば!」
オレには、ぽっかりと空いた大きな穴がある。
今にもオレを飲み込んでしまいそうなほどの、大きな穴が。
「いっ、……」
いっそ飲み込んでくれればいいのに。
そうすれば、繰り返す絶望から介抱されるのに。
何度も思った。
何度も思っただけだった。
できないから、物理的に消したのに。
消したら忘れるって、思ってたのに。
『絶対! 絶対だから!』
『は? いやだよ。オレには無理』
『大丈夫! ……絶対、大丈夫だから』
『…………』
「――――くんっ!」
…………ああーもう。
どうして。……忘れさせてくれないの。
また来る。
四年に一度の、……――『オレ』である日が。



