黙ってしまったアキラが困惑している中、葵とシランは二人して『どうせ甘いもののことでも考えてるんだろうなー』的なことを思っていたりするのだけれど。
「ではやはり、君にして正解だったようだ」
「お褒めに与り光栄で御座います」
アザミの言葉にシランはにっこりと笑って返す。
「娘の見る目も確かだったというわけだな」
「……お父様、疑っていらしたのですか?」
「そんなことはない。娘の言うことを私が信じないわけないだろう?」
「そう言っていただけて光栄ですわ」
当事者であるはずなのに自分一人だけわかっていないこの状況に、アキラは思わず首を捻る。
「大変申し訳ありません。どうも、私は皆様が話されていることについていけないのですが」
「ん? なんだ。皇くんは息子に話をしていなかったのか?」
「まあ、きちんと話をしてからと思っていましたので」
その間、葵は何も言わなかった。ただずっと、微笑んでいただけ。
それに胸騒ぎを覚えたアキラが不安げに見えたのか、アザミはふっと笑みを浮かべる。
「何。話と言っても、大したことではないさ」
そして、アザミが口にした言葉で何もかもが崩れていく。



