電車で最寄り駅まで帰ってきていたみんなは、その後アキラの計らいでカエデに迎え来てもらっていた。無事皇に到着した後、用意されたドレスやタキシードに着替えて現在、パーティー会場に潜入中。と言っても顔立ちがいい人たちばかりなので、大半がどこぞの偉い人たちに話しかけられて戸惑っていたけれど。
「駅までカエデさん迎えに来てくれてよかったねー」
「うん。そのおかげで何とかあいつより早く着いたみたいだしね」
「きっちぃんだけど……」
「ちかクン? がまんがまん!」
「そうだよ! あっくんのお父さんに無理矢理入れてもらった挙げ句、衣装まで用意してもらったんだから~!」
「翼もよかったね~! その髪型に合ったドレス用意してもらって~! あはは!」
「男が寄って来ないなら別に問題無いわよ……」
案の定ツバサはその容姿のせいでモテモテ。「どうか私と結婚を前提にお付き合いをおおおー!」的なことを言われてた。
「お疲れ。無事に来られたんだな」
「いらっしゃいみんな。久し振りだね」
挨拶回りの切りがよくなったのか、アキラと父シランが、みんなのところへも挨拶に来てくれる。
「お久し振りです紫蘭さん。お元気そうで。今日は無理を言って申し訳ありませんでした。それと衣装も……アリガトウゴザイマス」
「あ。翼くん流石! 似合ってるね~ぷぷ」
どうやらシランの悪戯心だったよう。真に受けたツバサは普通に着たけれど。
「……葵は?」
「あっちゃんなら先に帰ったけど、車だったから多分道が混んでたんじゃないかな?」
「旦那様。アキラ様」
すると、カエデがみんなのところへとやってくる。
「道明寺様がお見えで御座います」
その言葉に、みんなは会場を見渡す。すると、真っ赤な色を身に纏う彼女の姿が。
きっと少し前からだろう。会場に聞こえるのは音楽だけ。その場の誰もが、彼女をそういう目で見ていた。
会場を横断し、反対側の入り口に立つ男性の元へ行くと、一言二言話して彼女たちがこちらへと向かってくるのが見える。
「みんなはここにいてね」
カエデとみんなを残し、アキラとシランは異様な二人を出迎えた。



