それからジェットコースターに乗ったり、お化け屋敷的な感じのに入ったりしたのですが、男性陣撃沈。ヒナタは人にも酔って本気で気持ち悪そうにしていました。キサも、お化け屋敷は得意じゃないけど高いところダイスキなので上手に相殺。
そんなこんなでもう乗り物には乗らず、近くのショップに入って様子を監視しました。
「その。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。……予想以上にグルグルだったので、ちょっと驚いちゃって」
どうやら葵の方は平気みたいでしたが、彼の顔色が少し悪いようです。何かないかと、葵は飲み物を買ってあげることに。
「よければどうぞ」
「す、すみません」
「気にしないでください。その、お礼なので?」
「ははっ。……じゃあ、ありがとうかな?」
「はい! それでお願いします!」
そんな楽しそうな二人に対し、みんなの機嫌はすこぶる悪い。
「何よあれ」
「男のくせに酔うとかだっせ」
「お前らもな」
「マジで吐きそう……」
ヒナタの背中を摩っていたキサの一撃▼
ツバサとチカゼは急所に当たった▼
しかし、二人がそう言いたくなるのも無理はない。いろんな乗り物に乗ったり、レストランで食事をしたり、待ち時間の間も笑顔の二人は、本当にデートを楽しんでいるように見えたからだ。
「あっちゃんたち、本物の恋人同士みたいだね」
キサの言葉に怒るかと思ったけれど、みんなも同じようなことを思っていたようで、どちらかというとショックの方が大きかったみたいだ。最初の楽しげなノリは、もうどこにもない。
「あんたら邪魔しなくてえらいね」
ふと疑問に思ったキサがそう尋ねてみる。
「……ま、できないよねー」
「あおいチャンに、嫌われたくないもんね」
そんなことしたって、葵が喜ぶわけがない。そんなことしたら、葵に嫌われてしまうかもしれない。彼らの中では、常に葵の気持ちが最優先なのだ。
「(ほんと、あっちゃん大好きなんだから)」
みんな一人一人にいいところがあって、やさしくて、誰よりも他人を思いやれる男たちだ。
「(みんなが幸せになって欲しい。心底そう思うよ)」
でも選ばれたとしても一人だけ。
もしかしたら、みんなの中からは選ばれないかもしれない。
「(でもきっと、あっちゃんが出した答えなら納得するんだろうね)」
誰よりも大事で、大切で、大好きな葵が選んだ相手なら。何も言わない。……言えないのだろう。



