すべてはあの花のために⑤


 そしてあっという間に駅に到着。流れに乗って自分たちも夢の国へ向かった。始発だったためまだオープンしてなかったが、列に並んで二人の様子を窺います。


「あおいさんは絶叫系とか大丈夫?」

「あ。わたし、遊園地とかって来たことなくって」

「そうなんだ。だったら試しに乗ってみるのもいいかもね。好きかどうかわかったら、次に来た時も楽しいと思うよ」

「……はい。そう、ですね」



『はーい、こちらイエロー。どうやら向こうは『ちゃっかり次の予定も入れちゃおう作戦』を実行中のようです、どうぞー』

『む。それはダメだ。次は俺が葵と予定を――』

『あきクン、その下りもうやめておこうよ』

『れっど! 違うよ! ぐれーだよ!』


 こちらの四人は、二人に近いところから報告してくれている。あとの四人はというと。


「あーもうっ! めっちゃ気になるっ!」

「だったら行けばいいじゃないのよ」

「行きたくても行けないんだよねー。可愛いなあ。流石あたしの弟1号!」


 チカゼは気になってしょうがないけど、でも見るのは嫌みたい。ツバサは、もう見るのがつらいので報告で十分。離れて見つからないようにしていた。キサは、そんなチカゼとたまにツバサをいじって遊んでいましたが、ヒナタは……興味がないようで、ヘッドホンで音楽を聴いていました。

 それから時間になりオープンした。二人は入り口でチケットを買っています。


『こちらぶるー! どうやらあーちゃんはまた学生証を忘れたようです! どうぞ!』

『どうやら男の方も忘れたようだ、グレーでした』

『いやいや。グレーそこで入れなくていいからー……』

『あ! 見失いそうです! こちらはれっど! 急ぎ追いかけますっ!』


 報告を聞いた四人――否。三人は、コントでもしているのかと思ってしまった。


「にしてもあっちゃん忘れん坊さんだね~」

「修学旅行も忘れてきてたよな?」

「何やってんのよ、あの子は……」


 中に入ったみんなは、つかず離れずのところで尾行を続けた。



「あおいさんっ」

「え?」


 アイが葵に手を差し出す。


「今日はイブですし、人が多くて迷子になってはいけないので?」

「……ははっ。はい。ありがとうございます?」



『はいっこちられっど! 何嬉しそうに手繋いでるのおー!』


 ほぼ感想ですが、状況だけははっきりわかったのでした。