「ねえチカまだ? 早くあたしもやってよー。着いちゃうじゃん」
「お前さ、アキもツバサも異常なくらいサラッサラなわけよ! そんな髪に編み込みするとかマジオレどんだけ器用なんだよ!」
「いや知らないし。早くしてよ」
「もっと褒めてっ!」
チカゼは頑張って編み込みを続けました。アキラは片側、ツバサはトップから先の方まで編み込んで、緩めの三つ編みに。二人ともどこぞのモデルさんのようだ。
「ほれ。ツバサ出来たぞー」
「アンタほんと、こういうのは器用よねー」
「ここでは一応オシャレ番長だ」
「え。それ死語じゃないの」
「え。マジで?」
「さあ。わかんないけど」
そんなツバサは、中性的な服装に大きめの眼鏡をかけて、ヒナタの隣に座った。
「? お前も行かなくていいのかよ」
「何言ってんのよ。アイツら見てる方が面白いわよ」
流石は兄弟と、チカゼは思いました。
「んで? お前はどうすんだよキサ」
「フィッシュボーンで!」
「りょーかい」
チカゼはキサの髪を両サイドに分け、片方ずつ先まで綺麗に編み込んでいく。
「おお! 早いね!」
「お前の髪傷んでるから――ぐはっ!」
「女の子に失礼!」
「う、うるせえ」
鳩尾に一発食らったチカゼは、取り敢えずキサの隣に座った。
「あんたも行かなくていいの?」
「オレまだ自分のできてないし」
そう言って、ちゃちゃっとアキラとは反対側のサイドを編み込んで終了。
「それで? 行かないの?」
「お、オレもあいつら見てた方が楽し――」
「見たくないだけでしょ」
「う……っ」
図星を言い当てられ、小さくなったチカゼを、ツバサとキサが小さく笑って見つめる。
「な、なんだよ」
「あんたも好きだねー。あっちゃん」
「ほんとよねー」
「――なっ?!」
ツバサとキサにいじられ、チカゼは耳まで真っ赤に。
「大丈夫よチカ。翼も同じ心境だから!」
「ちょ! 何言っ」
「翼も見るのがつらかったからここにいるから仲間だ! よかったね!」
顔を見合わせ「なんか恥ず……」と照れくさそうに視線を外す二人。その隣では、ツバサにもたれ掛かってすやすや寝息を立てている人が。『こいつはどうなんだか』と、思っている二人の横で、キサはにっこりと笑っていた。



