すべてはあの花のために⑤




「……え」


 確かに、絵柄の抜けはあったかもしれない。でも、こんなカードを作った覚えはない。


「だから、もしかしてこの後何かショーが始まるのかなと、少し楽しみだったりしたんですよ」

「(……え。待ってよ。それじゃあ、わたしが持ってる【このカード】は……)」


 カタカタと、震える手で自分のカードを取り出す。
 どくどくと、心臓の音がうるさい。まわりの音なんて、彼にカードを見せられた時から聞こえていなかった。

 葵は自分のカード――恐らく【内側が真っ赤なカード】を、ゆっくりと開いた。







 ――そしてすぐに手を伸ばした。


「れんくんッ!!」


 気付いた時にはもう、きっと何もかもが遅かった。