すべてはあの花のために⑤


 そのあとは、みんなで雑談をしながら夕食を食べていた。


「あっちゃんはイブとクリスマス、予定が入ってるの?」

「はい。実はそうなんです」

「俺と泊まりでクリスマスデートするんだよねー」

「ちょっと心配です」

「えっ? まさか、本当に……?」

「勝手に妄想までし始めてしまったカナデくんの頭の心配です」


 どうやらみんな、それぞれ家族や友人と予定がすでに埋まっているよう。もちろんカナデ以外。
(※というのは大嘘で、カナデと同じ扱いになるのが嫌だっただけ。それぞれ葵と過ごす計画を立てていたようです)


「日向は? あんたも予定入ってるの?」

「家でゆっくりするっていう予定が入ってる」

「え。それ予定じゃないじゃん」

「そうとも言うね」


 どうやら一番の暇人らしかった。


「折角のクリスマスなんだから、予定ぐらい入れなさいよ」

「実は予定をばっちり空けてたツバサには言われたくない」

「――!」

「え。マジだったんだ。ごめんね当てて」

「~~っ。もうっ。日向嫌い!」

「ありがとう。最高の褒め言葉」


 何を言ってもツバサはヒナタには勝てなかった。


「せっかくですから家から出てみてはどうでしょう。きっとイルミネーションが綺麗ですよ」

「え。人多いの無理。やだ」

「ひ、ヒナタくんがいいのならいいんですが」


 とんだ出無精だった▼


「アキは? なんかあんの?」

「イブの夜は家でクリスマスパーティーがある」

「それって、お偉いさんがいっぱい来るようなパーティーなんでしょー?」

「……まあ、そうかな」

「堅苦しそおー」

「そういう場だから割り切ってるよ」

「あっくん、クリスマスは?」

「その日は逆に呼ばれてるんだ」

「にしてはアンタ、なんだか楽しそうね」

「アキくん。イブとクリスマスにいいことでもあるの?」

「そうだな。俺はそんな場でも嬉しいよ」

「……そう言ってくれてありがとうアキラくん」

「え? ちょっと秋蘭? あっちゃん? どういうこと?」


 みんなして首を傾げているところ、二人が声を揃える。


「24日はわたしがアキラくん家のクリスマスパーティーに」

「25日は俺が葵家のクリスマスパーティーに行くんだ」


 案の定みんなの叫び声が響き渡った。