「無線の用意はできてるか」
「おう。大丈夫だぜアキ」
「館内はもうみんな入ってきたみたいで、各クラス好きなくす玉の下へ移動してもらってるよー」
「ついでに代表で割ってもらう人、今回は紐を引っ張ってもらう人を選んでもらってるよお~」
「業者の人は、くす玉を引っ張り終わり次第業務終了だよ! それまでは一応付いておくって、『お父さん』が言ってた~!」
「お、お父さん!?」
まさかのここで爆弾発言!
カリン退院後に籍を入れたそうだが、いざとなると行動は早いゴリラ・ヒエンだった。
「えっと、みんなが綺麗に飾ってくれたおかげで、ツリーの根元がとっても綺麗だよ!」
「花も早くに全部飾ってくれたみたいで、台の撤去もスムーズにいったわ」
「立ち入り禁止のロープとネットも問題なし」
「飾りが落ちてきちゃいけないから、もう屋根は開けないことにしたんだよね?」
「ああ、もう『落ちない』ようにしよう」
「料理も運び込まれて、会場内で数カ所実演もやってくれるみたいだよお!」
「みーくんドリンクも準備してくれたみたい! 後夜祭の時同様バーテンさんがいたよ!」
「そういえばアキラくん、ケーキは?」
「完璧としか言いようがない。早く食べたい」
「そ、そう……」
――――さあ、機は熟した。
「何かあれば必ず連絡だ。いいな」
「はい!」
学校全体を巻き込んだクリスマスパーティーの開始まで、あと――――……。



