「ちょっとアキっ?! 何やってるのーッ?!」
なんと、まさかのカナデが、ここで止めに入るとは。
「それ俺の担当だから! 何勝手にアオイちゃん襲ってるの?!」
「いや、あなたに許可した覚えもないけど……」
「選手交代だ。お前のエロはなかなか発動しないから」
「そんなの知らないんですけど! アオイちゃんだからなかなか手が出ないだけだし!」
「わたしはカナデくんになら思い切り手が出せるけどね」
「だそうだ圭撫。よかったな」
「それ違うでしょ!? 思い切り急所蹴られるパターンのやつだからっ!」
アキラはちょっと顔が青くなった。蹴られた時を想像したようだ。
「ていうかねアキ! 何勝手に暴走してるの! アオイちゃんビックリしちゃうじゃん!」
「お前にだけは言われたくない」
「だーかーらー! ……まずはこう、そういう雰囲気を醸し出して……」
「ふむふむ」
「そうしてからだんだんと近づくの。それで、彼女の目が潤んできたり、目を閉じちゃったらOKサインだから、それからは今度は彼女を気持ちよくさせてあげなきゃ。アキだけが満足したって駄目でしょ」
「それもそうだな。お前の言う通りだ。よし、もう一回頑張ってくる」
「やらせませんけど?」
何勝手に『そういう講義』始めちゃってるわけ?
君は助けに来たのかい? それとも助っ人に来たのかい?
しかし、やはり前者は前者のようで、もう一回葵に襲いかかろうとしたアキラを必死に止めてくれた。
「だから! なんで暴走してるの! 確かに、アオイちゃんのミニスカは涎が出そうなほど可愛いし、そっち方面にちょっと目覚めそうな気がしなくもないけど! 流石にやりすぎ! 目線下に行きすぎ! 確かに。アオイちゃんの生足にかぶり付きたい気持ちもわからなくもないけど!」
「カナデくんキモい」
「そこまで思ってない」
(※実はちょっと思ってたけど、葵にキモいって言われたくなかった)
「男はみんなそうだから! アオイちゃん、その生足今日は気をつけて!」
「えー。処理しなかったらよかったかなー……」
「いや、それはしててくれてありがとう」
「? カナ、処理って何だ」
アキラの質問は捨て置かれた。
「みんなトナカイさん可愛いね」
「葵の方が可愛いけどな」
「アオイちゃんの方が可愛いけどねー」
しばらく褒め合いっこして、表に出た瞬間みんなにちょびっとだけ睨まれていた。葵じゃなくて、アキラとカナデが。
それから葵は、もうすぐみんなが入ってくる時間だったので入り口へ。アキラはケーキを受け取るのに、体育館の裏口へ。カナデは体育館内での最終確認と、楽団の方への挨拶をしに、館内へ。
それぞれ足を進めた。
クリスマスパーティー開始まで、あと…………60分。



