星を無事に付け終わった後は、それぞれ分かれて飾り付けを行った。一つが大きいため、四、五人が一組になっている。
「(腰にロープ付けて、足場作って、それから飾り付けするって。大きさ伝わってるかな。ここから見たらみんなアリんこだよ? それぐらい高いよ?)」
あ、ご心配なく! 服装はみんなジャージ着てるので! なので下から見られても安心ですよ!
「あっちゃん、最近元気ないね」
「え? そうですか?」
ちなみに葵とキサは二人で一緒に小さめの飾りを付けながら、業者の雑さに突っ込みを入れています。
「ここでも、それなんだね」
「はい。申し訳ありませんキサちゃん」
葵もできることなら外したいけど。今は、それはできないのだ。
生徒会室で外せるのは、理事長のお墨付きがあるからに過ぎない。
「(みんなをわたしは信用してる。だからあそこは、今のわたしにとって唯一仮面を外せる場所)」
理事長に詳しいことを話したわけではない。ただ、心配そうにはされたけど。
「(それに今は、家でも外せないに等しい)」
それは『常に聞かれている』状態だからだ。
寝るまで最近は、シントがべったりと葵に付いている。そういう指示なのだろう。
「(……結局、いい作戦が思い浮かばなかったんだよなあ)」
盗聴器の場所を尋ねると、彼は左耳を指したのだ。言われなければ、黒髪で隠れていたその【ピアス】には気づかなかっただろう。
どこか服に着いているならまだしも、まさか体に直に付けただなんて。
「(しかも何アラーム付きって。勝手に外せないなら、そんなのもう不可能に近い……)」
何かいい案はないものかと、ここ最近ずっとシントのことを考えながら仕事をしていた。
「あっちゃん? どうしたんだ?」
「え? あ、なんでもありませんよ。次はどこへ飾りましょうか」
「あっちゃん持つ持つ!」
葵は飾り玉を持って歩き出す。少し大きめだが、葵には羽のように軽い。
飾り玉や、ステッキ、ベル、靴下や天使、ジンジャーブレッドマン、リボンや電飾を、ツリーへ散りばめていく。



