すべてはあの花のために⑤


「じゃあ、ルニちゃん。そう呼んでもいい?」

「え」

「……いや、だった? じゃあ違うので」

「ううん。嫌じゃないけど、なんでかなって思って」


 女の子がそう聞いてくるので、こどもはにっこりと笑って理由を教えてあげました。


「おひさまみたいなあなたに、わたしのお花の名前をあげたいの」

「…………」

「……あれ? だめ、かな。やっぱり」

「ううん。そう呼んで? うれしかったから」


 すごく嬉しくなったこどもは、たくさんたくさんルニちゃんと呼びました。
 けれど、嫌そうな顔をせず、女の子はただ笑ってくれました。


 それからこどもは、このお花畑に来たら女の子に会えると思って、来られる日は必ず、家を飛び出してここへ来ました。
 女の子も楽しみにしてくれていたのか、ひょっこり現れて、いつもお花畑で待っていてくれました。


 それからこどもはこの女の子が大好きになり、大事な存在となりました。

 そんな女の子にこどもは、とっても大切な絵本を渡すことにしました。