「写真を拝見させてもらって、みんなの仲がずっといい理由がわかった気がします」
写真の中には、キクや理事長、その他の友達であろういろんな人が写っていた。
「もうすぐ、クリスマスですね。アキラくん」
「? ああ、そうだな」
「楽しみ、ですか?」
「みんながケーキを前にして喜ぶのは目に浮かぶ」
「ふふ。わたしも、きっといい思い出になるんじゃないかと思ってます」
アキラはそっと、葵の手に自分のそれを重ねる。
「……葵」
「はい。なんでしょうアキラくん」
そんなことなんでもないように、葵は綺麗に仮面を着けた。
「……ッ、どうして俺の前でも仮面を着ける必要がある。生徒会室と一緒だろ。外してくれ」
「アキラくんの部屋には、何もありませんか」
「……どういう、ことだ」
「いえ。何でも。……大丈夫ですよアキラくん。わたしだって、好きでアキラくんの前で着けているわけではありませんから」
仮面を着けた状態で、精一杯笑う。
「いつか。剥がれるその時まで、……待っててくれますか?」
「待たない。今すぐ俺が剥がす」
「アキラくん……」
「なあ葵。隠してることがあるだろう」
俯いても、覗き込むようにしてグレーの瞳が追いかけてくる。
「何を、仰っているのか」
「じゃあ仮面を着けている理由を教えてくれ」
「これは……」
「言えない? なら、どうしてお前は家族に駒扱いされてるんだ」
「それは。わたし、だからで……」
「もっとわかりやすく」
拳を作り、葵は歯を噛み締めた。
「……っ、言いたく。ありません……っ」
「……そうか」
諦めてくれたかと、ほっと息を吐こうとしたら、肩をとんと押された。
「えっ。あ、アキラくん?」
「頼む葵。教えてくれ」
少し長くなった黒髪が、ベッドに広がる。指と指が絡み、ベッドに柔らかく押しつけられる。
上から、灰色が見下ろしてくる。
「お前を。お前のことを。俺は、……知りたいんだっ」



