「これは? 生まれた頃?」
「ああ。だな」
葵が指差したのは、アキラがシントに抱かれ、その後ろで二人を支えるように座る両親が写った写真。
「これは……保育園?」
「そうだな」
可愛い園児が着る服を着て、無表情で写るアキラとは違って、シントはどこかもう大人びたような。達観した笑顔で笑っていた。
「(まだ園児でしょうが。どれだけ頭よかったのよあなたは)」
と言いつつも、人のことは言えない。恐らくシントよりも遙かに、葵は頭がいいのだ。……二人ともおバカであることには違いないが。
「あ。みんなが写ってる」
「これは……小1だな。まだ桜李たちには会ってない」
そこにはアキラの他に、カナデ、ツバサ、アカネ、キサが写っていた。
「みんな可愛い……」
「葵の写真も見てみたい。きっと可愛いから」
小さく微笑むアキラに、葵は微笑みを返すことしかできなかった。
それからどんどんページを捲るごとに、みんなが大きくなっていく。
「(……あれ?)」
葵の中で何かが引っ掛かったが、掴みきれないまま、すぐに消えてなくなった。
「(……なんだったんだろう、今の)」
それに首を傾げながらアルバムを閉じ、アキラに返す。
「いらないのか? 集めてるんだろう?」
「そんな! アキラくんが大事にしているアルバムごとは流石に戴けません!」
「え。いや、菖蒲さんから杜真のアルバムは貰ってただろ」
「それは、トーマさんが持っていなかったからです。流石にアキラくんが大事にしているものは戴けません」
腕を突っ張って、アキラに断りを入れる。
「……じゃあ、焼き増ししたらいるか?」
「いります! ありがとうございます! 小っちゃい頃の全部下さい!」
一体何に使うのか怖かったが、取り敢えずは葵の勢いの方が怖かったので、「わ、わかった」と頷いたアキラだった。



