それからどれくらい経ったかは、よく覚えていません。
一週間経ったかも。もしかしたら一日も経っていなかったかもしれません。いいえ、覚えようとも思いませんでした。
必死に漕いで、陸に戻ろうとすることもやめ、ただ照りつける日差しにわたしの体力は奪われていきました。喉も渇き、思考も上手く働いてくれません。
何を思ったのかわたしは、海を飲みました。しょっぱくて飲めるようなものではなくて、余計に喉が渇きました。
でも、とても冷たくて気持ちがよかった。
わたしはもう、生きることをやめました。海に、身を投げました。
どうしてわたしは、こんな目に遭わなければならなかったのだろう。どうしてもう、わたしを愛してはくれなかったのだろう。……全て自分が悪かったのだと、わたしは思いました。
ただ冷たさを感じたまま、真っ暗で静かな海の底に、沈んでいく……――はずでした。
薄れゆく意識の中、声が聞こえました。その声は、わたしにこう言います。
『こんなところで、死んでたまるか』
きっと、今まで溜めに溜め込んだわたしの黒い感情が、表へ出てきたんだと思います。
『絶対に、死ぬものか』
わたしの黒い感情は、わたしの【太陽】と引き替えに表へ出て、泳ぎ方もわからないまま、ただ海の中で藻掻き続けました。
『死んで、……っ。たまるものかあああぁ!』
そう叫び続けていたら、大きな手がわたしを掬ってくれました。
「――お嬢ちゃん! しっかりしろお嬢ちゃん!」
どうやら、ちょうど通りかかった船に乗っていた男性が、わたしを助けてくれたようです。



