その後、職員会議から帰ってきた先生に叩き起こされました。いつの間にか寝ていたようで、日はすっかり沈み辺りは真っ暗。それでも、生徒会の仕事をして帰ると伝えていたので、迎えの時間にはまだ達してなかったけれど。
「……泣くつもりなんか、なかったのに」
どうして彼に泣きついてしまったのだろう。
「絶対大変だよレンくんの服。涙と鼻水と涎でぐっしょりだよ?」
よかった、明日土曜日でと。よくわからない理由をつけてほっと安心。
「にしても、絶対この薔薇、レンくんだよね」
葵は、回収する予定だった集計表の上に置かれた薔薇を持ち上げて、首を傾げる。
「薔薇ってオレンジ色もあるんだ。綺麗な色だし、……いい香り」
また新聞紙に包んで持って帰ろうと思い、生徒会室の扉を開ける。もう遅いから、みんな帰っているとばかり思っていたけれど。
「あれ? みんなまだいたんだ」
どうやらみんな、集計結果が早く知りたかったようだ。すっかり眠ってしまっていて申し訳ない。
「うそっ。全校生徒?!」
結果、まさかのどのクラスも全員参加という落ちに。
「……無言のプレッシャーがすごいんだけど」
「み、みんなの期待値が半端ないねー……」
「おっきいツリーがあるといいね~!」
「花っ。花の値段があ……」
「つ、つばさクンがそろばん弾いてる……」
「……ケーキ、選び直すか」
「プレゼントも選び直すか、ヒナタ」
「うわ。マジめんど。チカ頑張って。あと下僕」
「「なんでえ!?!?」」
「でもでも! 全員に参加したいって思ってもらえてよかった! 最後まで頑張ろおー!」
「おおー!」
なんだかんだでキサがまとめてくれたので、今日の生徒会の仕事は無事に終了した。



