「……波は少し荒かった気がするけど、とても天気はよかったわ。ほんと、ほんのり汗をかいてしまうのではないかと思うほどいい天気で暖かかったの」
┌ ┐
わたしは絶対に願いを叶えるよ
それまでは誰だって邪魔はさせない
少しでもその時間が延びるなら
みんなの前でも【仮面】を着け続ける
└ ┘
「……そうですか。こちらへ帰ってきたら寒かったでしょう。お部屋を暖かくしておりますので、急いで帰って温まりましょう」
┌ ┐
わかった
葵がそう言うなら俺も気をつけておくよ
最後に一つ
もう会話はいいから、画面だけ見てて
└ ┘
「……ええ。〈ありがとう〉」
会話にもメールにもきちんとお礼を言った葵は、彼から送られてくるメッセージを、ただ無言で無表情で、しばらくの間見つめていた。
┌ ┐
そんなことだろうと思った
いつかこんな日が来るんだろうなって
ずっと。……ずっと思ってたよ
└ ┘
最後に一度だけそれを送ったあと。ただ車が家に着いても、シントはしばらくの間葵の手を悔しそうに握り続けていた。



